2001年10月14日 更新
ping
ping
(Packet InterNet Groper)
ネットワーク上で、機器が繋がっているのかを確認するコマンド。ping 192.168.0.1 のようにIPアドレスを指定して、応答があれば繋がっていることが確認できます。
pingは、"ピング"ではなく"ピン"と発音するのが近いのですが、正しい発音を知らない人が大部分なので、"ピン"と言っても通じないため、私も"ピング"と言っています。
潜水艦が攻撃直前に敵を確認する時に、アクティブソナーを発信することもpingと言います(映画 レッドオクトーバーを追え、を字幕版で見ましょう)。ネットワーク機器を探査するということから、こじつけで名づけられた名称だと思われます。
pingコマンドの実現には、ICMP echo request を使っています。TCPやUDPではありませんし、ポート番号という考え方もありません。
pingの使い方
pingは、ネットワークに新しい機器を繋いだり、どうも通信がうまくいかないときなどに、何が悪いかを調べるための基本コマンドの1つです。次のように3段階に分けてチェックします。
- 1) TCP/IPが組み込まれているか?
- チェック対象の機器で、ping 127.0.0.1 を実行します。これで応答があれば、その機器でのTCP/IPの基本機能は正常だと思います。次に、その機器に設定したIPアドレスに対してもpingを実行します。ここまでがOKなら、LANカードの故障が無い限り、その機器のネットワーク部分は正常です。
- 2) IPが届くか?
- チェック対象の機器から、その近くの機器に、IPアドレスを指定してpingします。また、他の機器から、ping 192.168.0.1 のように、チェック対象機器のIPアドレスを指定して実行します。これで応答があれば、IP での通信が正しく行えています。
応答が無い場合は、ケーブル、LANカード、ハブなどの機材に障害があります。一番多いのはケーブルの不良です。最近主流の100BASE-TXはケーブルにシビアで、30m以上は専門家の指導無しでは正常稼動が難しいです。特に、自分でLANケーブルのコネクタを付けるのは障害の元です。20万円以上もする専用ケーブルテスタでないと、コネクタ接続が正しいかは確認できません。1万円程度のテスタは線が繋がっているかの確認だけしかしませんので、5m程度の短いケーブルなら問題ありませんが、長いものでは通信が不安定なものでも正常の表示が出ます。
無線LANや非常に長いLANケーブルを使うなど、途中の経路が不安な場合の最低限のチェックにも使えますが、全く繋がってないか、繋がることもあるか、という判断にしか使えませんので、pingが通ったからといって、途中の経路が万全であるかは判りません。あくまでも目安にしましょう。
途中にルータやレイヤー3スイッチがある場合は、ルータ等でのルーティング設定が正しいかも確認する必要があります。192.168.???.??? というプライベートIPアドレスは、他のネットワークに出してはいけないため、ルータの標準設定で通過禁止になっている場合もあります。
テストを行う機器(pingを実行する機器)とチェック対象機器で、ネットマスクが違ったり、IPアドレス中のネットワークアドレスが違う場合もIPが届きません(192.168.0.1/24 と 192.168.1.1/24 の間ではネットワークアドレスが違うため通信できません)。
- 3) 名前解決が出来るか?
- 他の機器から、ping newmachine.local のように、チェック対象機器の名前を指定して実行します。これで応答があれば、名前解決が正常に行われています。名前解決には、DNS、WINS、ブラウザマスタ、hosts、lmhost、などを自動的に使用しますが、すべてに失敗すると(2)はOKで(3)がNGとなります。
IPアドレスを指定すると通信できて、ネットワークコンピュータにはその機器が表示されないというのは、この部類に入ります。
(2)も(3)もOKだけど、ネットワークコンピュータにはその機器が表示されないというのもよくありますが、すべての設定が正常なら、Windows 95/98/Me のバグ(Q238853, Q246494等)にひっかかったか、ブラウザマスタに登録中で最新情報になってない(5分〜1時間程度かかることがあります)かのどらかの可能性が一番高いです。
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