従来、NTT 以外の電話会社を使うときは、0077とか0088なんかをダイヤルするか、自動選択機能付きの電話を使っていました。しかし、これでは NTT に有利に働くということで、普通にダイヤルしたときに繋がる電話会社を指定できるようになりました。
一度、マイラインで電話会社を指定すると、他の会社に乗り換える人は少ないため、ここぞとばかりに、各社の大攻勢となっているわけです。
マイラインは2001年5月1日からサービスを開始しています。現在、申し込みから処理完了までに1ヶ月弱かかります。
マイラインは、NTT西日本/東日本の電話局内にある電話交換機の設定変更を行うため、設定を変更する場合は NTT に料金(800円)を支払う必要があります。
2013年11月27日 補足(記事本体は変更無し)
先日、「IP電話回線だと、割高になった」というお叱りのメールをいただきました。12年前に書いた記事では、IP電話など存在していないので、書いてないこと自体はどうしようもないと思いますが、不利益を被るというのは執筆者としては不本意なので、ここに注記させていただきます。
この記事は、NTT加入電話回線について書いたものです。掲載している情報は2001年当時のもので、現在の情報は調査していません。また、サービス契約を追加、変更したら、2〜3ヶ月は料金の変化を監視して、割高になっていないことを確認してください。
マイラインだと、0077 を付けると KDDI にかかりますし、0039 ならNTT西日本にかかりますが、マイラインプラスにすると、この時の 0077 や 0039 が無視されて、あらかじめマイラインプラスを契約した電話会社に繋がります。
これだけなら、無視しちゃってもいいのですが、マイラインプラスを契約すると、各電話会社の割引サービスの基本料が無料になる、ということを始めたものだから、非常に重要になります。つまり、単にマイラインを契約するのではなく、割引サービスを見極めてマイラインプラスを契約しないとお得にならないわけです。
難しいことを考えるのが面倒なら、KDDI にしましょう。理由は次の通り。
とにかく、NTT 以外を選択することが重要です。新電電各社が参入して、遠距離通話料金は1/4以下になりました。新電電各社の市内通話への参入で、3分10円が8.5円に値下げになりました。世界的に見て割高な日本の通信料金を安くするためにも、NTT 以外を選びましょう。
主要3社(NTT, KDDI, 日本テレコム)の市外通話料金は、ほぼ同じです。違うのは割引サービスの内容です、が、これが複雑怪奇でして、混乱の元になっています。そこで、ここでは細かい話は抜きにして、普通に使うとどうなるの? という感じで書いてあります。
どなたにもお勧めできるのは KDDI です。すべての市外通話が30%引きで、その中で最も料金の高い相手先は50%引き、2位が40%引きです。大抵の中小企業や個人でしたら、通話相手はそこそこ散らばっていますので、まずは KDDI を第一候補にしましょう。
次にお勧めなのが日本テレコム。ここは、局番単位で割引先をまとめます。つまり、福井市にいる友達10人にしょっちゅう電話する、という場合にはここが最もお得になります。1位の局番に属する相手全員が50%引き、2位が同様に40%引き、3〜5位が30%引きで、6位以下は5%引きになります。ですから、比較的市外通話の回数が少ない方には、最もお得になる可能性が高いです。
相手が全国に散らばっている場合は、6位以下の割引率が悪い点が KDDI に劣ります。そのため、通話相手がほぼ固定された数人という場合には強くお勧めします。
それに対して、NTT は、あらかじめ登録してある2人に対する市外通話料金が45%引きです(特別な条件がそろえば55%引きになる)。他社は最も割引効果が高いところを自動的に引いてくれるのに NTT は事前に指定する必要があります。また、指定以外の相手への割引はありません。
県内への市外通話に関しては、30〜40% 引きになるスーパーケンタくんがありますので、他社の割引サービスと遜色ありませんが、県外市外通話の割引サービスが上記のように使い勝手が悪いため、お勧めできません。
3月末から4月頭にかけて、NTT 以外の各社が、市内通話3分8.5円の新料金を打ち出してきました。マイラインの市内通話を NTT に取られているため、巻き返しを図ったものでしょう。4月13日において、またまた新展開になりましたので、再調査を行いました。
まず、割引サービスを契約しない場合。市内通話料金について、3社の料金は完全に同じになりました。全く差がありません(4月13日現在)。つまり、どこを選んでも同じということです。
市内通話の割引サービスについても、3社とも同一内容になりました。割引サービスを使うかどうかの判断ラインは、月額の市内通話料金が500円(約3時間)を超えるかどうかです。毎月、確実に500円を超えるようなら、各社の市内通話割引サービスが有効ですが、500円以下だと月額定額料の負担分のせいで損します。
市内通話を3分8.5円から5分8.5円にする時間延長割引は、3社とも同じ料金体系です。市内通話範囲を広げる割引サービスは、KDDI と日本テレコムのほうが基本料が安い分お得です。
なお、月額1,500円以上使う場合は、NTT のケンタくん(無料)による上位3名を10%引きが適用出来るのですが、タイムプラス適用分は割引から除外されるので関係無いです。
以上のことから、市内についてはどこにしても同じです。従来どおり NTT にしてもいいですし、マイラインで指定する市外通話会社と同じにしてもいいでしょう。ただ、個人的な意見を言わせてもらえば、業界トップである NTT に競争意識を持たせるためにも NTT 以外を選ぶべきだと思います。
なお、フレッツISDNやフレッツADSL等は、NTT のサービスですから NTT の回線を使わないといけませんが、ダイヤルアップの電話番号でNTT回線を指定することで利用できますので、市内も NTT 以外でマイラインブラスを契約できます。
会社 | 市内 | 県内 | 県外 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
0077 KDDI | ○ | ○ | ○ | 1位が50%引、2位が40%引、3位以下は30%引。 |
0088 日本テレコム | ○ | ○ | ○ | 局番単位で割引。1:50%、2:40%、3〜5:30%。 |
0038 フュージョン・コミュニケーションズ | × | ○ | ○ | 3分20円の均一料金。 |
0061 Cable & Wireless IDC | × | ○ | ○ | 30秒ごとの課金。月額最低料金制(3,000円)。 |
0033 NTTコミュニケーションズ | × | × | ○ | 指定した2箇所が45〜55%引。 |
0039 NTT西日本 | ○ | ○ | × | 県内が全部30〜40%引 |
会社 | 昼、夜 | 深夜 | 市内時間延長割引 | 市内地域拡大割引 |
---|---|---|---|---|
KDDI | 3分8.5円 | 4分8.5円 | 市内ロング。200円。 | 市内ワイド。100円。 |
日本テレコム | 3分8.5円 | 4分8.5円 | タイムロング。200円。 | エリアワイド。100円。 |
NTT西日本 | 3分8.5円 | 4分8.5円 | タイムプラス。200円。 | エリアプラス。200円。 |
だけど、設定料金が800円というのは暴利だと思う。転送電話の設定を電話から行えるように、マイラインも各自が自由に設定できるようにすればいいと思う。技術的には難しいものは何も無いし、NTT にやる気が無いだけでしょうね。あと、申し込みをしなかったら自動的に NTT 系列を選択したことになるため、非常に棚ぼたが多いはずです。そういう含み利益を吐き出させるためにも、マイライン設定料は無料にするべきだと思う。
この記事は、2001年に、十分な調査を行って収集した情報を元に書いております。しかし、万一、誤り等がございましたら、ご一報くださるよう、お願いします。再調査の上、事実と異なることが判明しましたら、謝罪、訂正いたします。